先日、アメリカの健康保険の申し込みについて良くある質問をとりあげたので、今日は、『健康保険のキャンセル』について、良くある質問を取り上げていきたいと思います。
健康保険のキャンセルは簡単にできますが、注意しなければならない点もあります。後でトラブルにならないように、是非、気をつけていただきたいと思います。
Q1. 健康保険をキャンセルしたいのですが、できますか?どうしたら良いですか?
Q2. 保険料を払い忘れて、キャンセルの手紙が来ました。どうしたら良いですか?
Q3. 健康保険が勝手にキャンセルされました。これってアリですか?
Q1. 健康保険をキャンセルしたいのですができますか?どうしたらいいですか?
健康保険のキャンセルはいつでもできます。キャンセルの手続きは簡単で、通常はキャンセルを希望することを伝えれば良いだけですが、プランの種類によって注意が必要ですので、それぞれのプランごとに見ていきます。
オン・エクスチェンジ・プランのキャンセル
まず、マーケットプレイス/Marketplaceで購入したオン・エクスチェンジ・プラン/On-Exchange Planのキャンセルは、保険会社に連絡をしてもキャンセルができません。必ず、マーケットプレイスへ連絡して、キャンセルしてもらうか、自分のマーケットプレイスのアカウントで参加を止める手続きをするかのどちらかの方法になります。
それから、オン・エクスチェンジ・プラン のキャンセルには、ウェイティング・ピリオド/Waiting Periodが14日あり、通常、キャンセルは最短で14日後にしかキャンセルができません。
どういう事かと言うと、例えば、3月末まで保険を持っていて4月分は要らない。という場合のキャンセル連絡を、3月25日にマーケットプレースへ入れたとします。この時に可能なキャンセル日は、14日後の4月10日になり、そうすると、4月分の保険料支払い義務が発生します。
もしも、4月1日から次の保険が有効になっている。というような場合は、オペレーターにその旨を伝えて、日付を遡って3月31日付けでキャンセルしてもらう様にお願いする必要があります。保険会社への連絡も遅れますので、できるだけ早めに手続きをすることをお薦めします。
オフ・エクスチェンジ・プランのキャンセル
次に、オフ・エクスチェンジ・プラン/Off-Exchange Plan、つまりオバマケアの補助金を貰わずに、直接保険会社へ申し込みをしたプランの場合は、保険会社に自分で直接キャンセル連絡をするか、担当エージェントや代理店に電話をしてキャンセル希望であることを伝えてください。それだけで、キャンセルできるはずです。
オン・オフ両方に共通する注意点
これは、オン・エクスチェンジ、オフ・エクスチェンジ、どちらのプランにも共通することですが、
キャンセルはいつでも出来ますが、
申し込みはいつでも出来るわけではありません。
もしも、キャンセルがオープン・エンロールメント期間外だと、通常、その後、別のプランに申し込みをすることは出来ません。むやみにキャンセルしてしまうと、その後、無保険のまま年末まで過ごすことになり、結果、オバマケアの罰金を負うことになる可能性があります。
オープン・エンロールメントが終わった後は、スペシャル・エンロールメントでない限り、健康保険の申し込みはできません。キャンセルの手続きをされる場合は、この点を理解された上で、手続きに進んでいただければと思います。
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キャンセル・リクエストを電話でする際のポイント
キャンセルの連絡をする時に、私が必ず確認する項目があります。どれも、念のためにする基本的な事ですが、キャンセルは、毎月の保険料に関係してきて重要ですので、ここで共有しますね。
① キャンセル日を明確にする
② キャンセル・レター、もしくは会話のリファレンス番号をリクエストする
③ 保険料の自動引き落としの停止について念を押す
まず、①キャンセル日は、必ず電話に出たオペレーターに「○月○日付でキャンセル」と明確に伝えます。もしくは、オペレーターが「はい、○月○日でキャンセルです。」と言うのを確実に聞きます。保険会社やマーケットプレイスとの電話でのやりとりは、電話にでるオペレーターのスキルによって、結果が変わってきます。経験のないオペレーターや親切でないオペレーターにあたっても、こちらの目的である「○月○日付けでキャンセルをリクエストする」という事が確実に達成できるように、何事も明確にしていくことが必要です。
そして、キャンセル希望であることを伝えたら、「保険が終了したことを証明する手紙などを発行してもらうことはできますか?」と聞いてみます。これは、ほぼ『ダメもと』です。
保険会社によっては、本人が書面でキャンセルのリクエストを出すと「あなたのプランはキャンセルされました」という書面で返信してくる場合もありますが、多くの保険会社は発行してくれないです。ですので、その後、万が一何かのトラブルになった時に困らないように、キャンセル・レターの発行や、その時の電話でのキャンセル・リクエストに対するリファレンス番号等をもらえないかどうか。を聞いてみます。
最後に、これも、念のためですが、③保険料の自動引き落としが設定されている場合は、必ず「自動引き落とし設定も止めてくださいね!」と付け加えます。
自動引き落としはビリング部門が担当で、電話に出るのはカスタマー・サポートです。先ほども言いましたが、保険会社のカスタマー・サポートの方のスキルは残念ながら人によって様々ですので、毎回、念には念を入れるべきです。「システムで管理されてるはずだから大丈夫だろう」と思いたいですが、ここは日本と違い「そんなバカな!?」という事が起こってしまいます。ですので、「自動引き落としもストップしてください」とハッキリ伝えてください。
Q2. 保険料を払い忘れて、キャンセルの手紙が来ました。どうしたら良いですか?
保険会社からキャンセルの手紙を受け取り、その保険を失いたくない場合は、何よりもまず保険会社に連絡をして状況を確認してください。いくら保険料を滞納してしまったか、いつまでに支払えばキャンセルされずに済むかを確認し、すぐに対応すれば、その保険を維持することが可能です。
もしも、手紙に記載されているキャンセル日がすでに過ぎてしまっていたとしても、諦めずに保険会社に連絡をしてください。1ヶ月以内なら、保険料を支払うことによって、その保険を復活させることが出来るはずです。
滞納してしまった金額を一度に支払うことが出来ればそれが一番良いですが、経済的に難しい場合でも、諦めずに保険会社と話をしてください。例えば、「今、この場で$500支払うので、残りは2週間後でも良いですか?」と、複数回に分けての支払いの可能性や、「今すぐは難しいので、1週間後でも良いですか?」という風にです。
保険料未払いによる健康保険の喪失は、スペシャルエンロールメントには該当しません。ですので、本当にキャンセルされてしまったら、その後、オバマケアで決められている保険を持っていなかったことに対する罰金を支払わなければならなくなります。最後まで諦めずに何とかその保険を復活させられないか、可能性を探してください。
アメリカのカスタマーサービスは、日本のものとは異なります。日本の感覚で「ダメだろう。。」と思う様なことでも、ダメだと決め付けずに、何でも聞いてみるべきです。
Q3. 健康保険が勝手にキャンセルされました。これってアリですか?
オバマケア/Obamacareの決まりで、保険会社は、加入者の健康状態や、治療の内容、金額等を理由に、年の途中で保険をキャンセル/Cancelすることはできません。彼らが保険契約を終了できるのは、保険料が支払われなかった場合のみです。
もしも、保険料支払いが滞ったためのキャンセルでなければ、それ以外どういう理由で自分のプランがキャンセルされたのかを明確にする必要がありますので、保険会社やマーケットプレイスにすぐに連絡をして、状況確認をしてください。
オバマケアが始まってからこれまで、マーケットプレイス/Marketplaceで申し込みをしたプランが、年の途中で勝手にキャンセルされてしまう。という事がありました。これには、マーケットプレイスのあまり知られていないその仕組みの複雑性の為に起こったと思われます。こういった出来事があったとすると、それは保険会社に直接申し込みをしたオフ・エクスチェンジ・プランではなく、マーケットプレイスのプランのはずです。
ただ、唯一、保険料未払い以外の理由でキャンセルされる事がありえるのがメディケイド/Medicaid(カリフォルニアではMedi-Cal)です。メディケイドは収入の額によって受給できるかどうかが決まります。ですので、収入が上がってくると、それ以降は資格を失う可能性があります。ただ、そうは言っても、いきなりキャンセルされるわけではなく、きちんと「○月○日付けで終了です」とお知らせが来るはずです。そうしたら、それはスペシャルエンロールメント/Special Enrollment に該当しますので、その日付から60日間は健康保険の申し込みをする権利が発生します。
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