便利な保険料自動引落しも注意が必要! – 実際にあった最悪のトラブルを紹介します。

保険料自動引落

先月から、今年の健康保険オープンエンロールメント/Health Insurance Open Enrollment で申込みされた全ての保険が有効になっています。もう4月分の保険料も支払い期限を迎えていますが、保険料の支払いは皆さん問題なく済まされていますでしょうか。

エイプリル・フールにしては硬い内容ですが、(^_^;)今日は、タイトルから分かるとおり、保険料の支払い、自動引落設定/Auto-pay に関連して起きるトラブルについて紹介していきたいと思います。

というのも、これまでの私の経験では、健康保険に関連して何かしらのトラブルで、私にヘルプ求めて連絡される方の 全ての方が保険料の自動引落設定 をしているからです。

そして、このオートペイ設定の皆さんに共通して言えることが、早期発見が可能で事態が悪化するのを防げたと言う点です。「オートペイ設定」= 「保険料支払を忘れてイイ!」ということではなく、確実に支払われたかの確認は必ずする必要があります。銀行口座やクレジットカードのステートメントを毎月確認して、保険料が引き落とされている事を必ず確認するべきです。そこでもしも引落しがされていない事が分かれば、保険会社にすぐに連絡をして状況確認し、保険の喪失やお金の喪失を防ぐことができます。

私のお客様に実際に起きた、最悪のトラブルをご紹介しますね。

最悪のケース - 保険会社の人為的ミス

Aさんは、2016年、スペシャルエンロールメント/Special Enrollmentで6月から新しい健康保険をスタートしました。初回の保険料の支払いは、Aさんのビジネスアカウントを利用して支払われ、2ヶ月目以降も同じ口座で自動引落を設定しました。

ところが、9月半ばになってAさんから連絡があり、「保険会社から3か月分の請求書が届いた。自動引落しの設定をお願いしたのにどうなっている!3か月分を一度に支払わなければならない!」と、相当お怒りの様子。

この時、Aさんは既に保険会社に連絡しており、私はAさんを含めて保険会社のオペレータと3者でカンファレンス・コールになりました。この時の保険会社の説明は「銀行口座情報のフォームが適切に記入されていなかった為にこうなりました。」という事でした。この説明を私をつなぐ前にこのオペレータから先に聞いていたAさんは、申込みの際に私がきちんとフォームを記入して提出しなかったと思い込んでいます。

保険会社のその説明では、もちろん全く腑に落ちない私は、いったん電話を切って改めて調査してから連絡させていただくことにしました。すぐに、その保険会社に電話をして、どういう状態になっているのか確認してもらったところ、このAさんの保険料支払いに登録されている口座情報は、この数ヶ月間で数回、何かしらの変更が加えられていることが分かりました。そこで驚いたのは、最終的にAさんの銀行口座情報は削除されていると言う点です。

そして、この電話に出たオペレーターは、その変更履歴を私に伝えながら、「記録は残っているが、どうしてそうなったのかは分からない。」というので、加入者からのリクエストもなしに削除しておいて、何も連絡しないんですか?と言ったところ、

加入者は、自分の銀行口座のステートメントを見て、保険料が引落されていなければ、おかしいと思って自分から連絡ができるはず!こちらから連絡する必要はない!

と言いました。私は絶句しましたね。勝手にメンバーの銀行口座情報を削除しておいて、加入者の自己責任だろ!って、それは無いんじゃないでしょうか。。ヒドイな。。。と、忍耐強い私もこの時はカチンときて、「それがおたくのカスタマーサービスですか!」と、思わず声を荒げてしまいました。

その後、EmailでこのAさんのケースについてこの保険会社に調査依頼を出したところ、数日後に報告のEmailが保険会社から届き、それで、Aさんの保険料引落し設定に何が起こったのかがハッキリしました。

当初、Aさんの銀行口座からの自動引落設定は問題なく設定されていましたが、その後、他のメンバーが、自分の銀行口座情報をこの保険会社のメンバーアカウントに登録しようとして、カスタマーサービスへ連絡した際に、受けたオペレーターが誤ってAさんのアカウントにアクセスし、登録されていた銀行口座をこの別のメンバーの言うものに置き換えてしまったそうです。

その後、この、どこの誰かも分からない方の銀行口座から2か月間、保険料が引き落とされて、Aさんの保険料として充てられていたので、Aさんのメンバーシップは問題なくアクティブです。ただ、この方のメンバーシップには一切反映されていないので、なぜ?と思ったこの方が再度、保険会社へ連絡して、事が発覚し、Aさんのアカウントに登録された銀行口座が削除されたということでした。

この時に、もともと登録されていたAさんの銀行口座が戻されれば良かったのですが、そんな事はできないのか、、、詳しくは分かりませんが、Aさんの自動引落設定はこれで、ブランクになり、そして、もちろんAさんの次の月の保険料自動引落は起こらず、まもなく保険料3か月分の催促のレターがAさん届いた。。というのが、このケースの真相です。

この件について、Aさん宛てに謝罪のレターを送るように保険会社にリクエストをしたところ、そういうものは発行できない。という返答でした。(-_-メ)

グレース・ピリオドとは

通常、どの保険にも、保険料が未払いになると、プランがキャンセルされる前に、グレースピリオド/Grace Periodと言って、メンバーが保険料を支払えばプランをアクティブにできる一定期間の猶予があります。

グレースピリオドはプランに寄りますが、上のAさんの場合は30日でした。ですので、3か月分の保険料が溜まることはあり得えず、保険料が支払われずに1ヶ月が過ぎた時点でAさんのポリシーはキャンセルされるのが普通です。でも、そうならなかったのは、このケースが単なる保険料の未払いでなく、保険会社のミスによって起こった事故だからです。

ただし、保険会社のオペレーターが言うように、毎月きちんと保険料が引き落とされたかどうかAさんが確認していれば、3か月分の未払いにはならなかったはずです。このAさんのケースでは、あくまでも保険会社のミスによって起こったことなので、オペレータが開き直ってそう言い放つべきではないですが、実際にこのオペレーターが言うことは「ごもっとも!」です。未払いが起こっても、早期発見し、グレースピリオドの間に対処ができれば、まったく問題はないんです。

カリフォルニア州の健康保険マーケットプレイスであるカバードCA/Covered CAのグレースピリオドは、初回の保険料を支払っている場合は、通常よりもずっと長い90日間が与えられています。ですので、2か月分、3か月分を一度に支払わなければならなくなることも普通に考えられます。

グレース・ピリオドに入ってから時間がたつと、次の月の保険料が発生して、支払い額が増えます。復活を希望される場合、一度に支払わなければならない保険料の額が増えますので、復活が加入者にとって経済的に難しくなります。

保険料支払いとお金の管理は自己責任

保険料自動引落2

保険料の自動引落を設定される方は、「保険料の支払忘れを防ぎたい」「支払い作業が面倒だから」等の理由があると思います。でも、自動引落としを設定したからと言って、確認をしなくても良いわけではない。と言うことを頭に入れておいていただきたいと思います。

保険契約においては、加入者には保険料を支払う義務があります。そして、その義務を果たすのはあくまでも加入者の責任においてです。ですので、必ず、銀行口座やクレジットカードのステートメントを定期的に確認して、自動引き落としがされていることを確認してください。それによってトラブルの早期発見と解決が可能です。

ご存じのとおり、かゆい所に手が届く日本のサービスは、アメリカでは期待できません。この国は、お金を失うのは簡単ですが、取り戻すのはものすごく大変です。あくまでも、自分のお金を守ることができるのは自分だけです。

次に、その他どういうトラブルが起こるかいくつか簡単に実例をあげますね。

定期的な確認で早期発見&解決ができたその他のケース

  • 毎月、保険料はクレジットカードにチャージされるように設定していたが、クレジットカードがEXPIREして、新しいものになったのに、保険会社の登録を更新するのを忘れた為、保険料のチャージがされず、3ヵ月後に保険がなくなった。その3ヶ月のタイミングが、ちょうど12月で年度替りだったので、年度が替わったから保険が無くなったと思い込んでいた。最後の3ヶ月間、自分が無保険だったことを知らず、次の年の保険プランの申し込み手続きもあやうく期限切れ(オープンエンロールメント終了)になるところだった。

  • 保険料自動引落設定をして問題なく1年間保険料を払った。年度替りで保険プラン変更し、新しいプランの保険料を普通に支払っていたが、前のプランの保険料自動引落としが新年度になってからも何ヶ月も続いていた事が後で分かった。保険会社に返金のリクエストをしなければならなくなった。

  • 健康保険マーケットプレイスのメンバーが、証明書類の提出を求められていたが、マーケットプレイスからのEmailや手紙が一切届かず、提出期限が過ぎてしまった為に保険がキャンセルされた。保険料の自動引落設定をしていたので、てっきり毎月保険料が引落しされているものと思いこんでいた。7ヵ月後に自分の保険がキャンセルされていることに気づいた。

  • 保険料自動引き落としが、何かの間違いで1回でなく3回実行されていた。

どのケースも、自分の銀行口座やクレジットカードのトランザクションをまめに確認することで、事態の悪化を防げたケースです。私の方ではお客様のエージェントとして保険会社とのやり取りをサポートすることは可能ですが、銀行口座にあったお金を取り戻すお手伝いも、クレジットカードのトランザクションを確認することもできません。そこはどうしても皆さんの自己責任になります。どうか、ご理解ください。

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