オバマケアに申し込むと補助金がもらえるってホント?- Obamacare Subsidies

Obamacare subsidies

オバマケアという法律では、政府の助成金によって保険料や医療費を節約することができるようになりましたが、この助成金がどういう物か。自分に関係するものなのか。きちんと理解されている方はまだ少ないと思います。今日は、そこを説明していきます。

オバマケアの助成金/Obamacare Subsidies

オバマ大統領は、通称「オバマケア/Obamacare」という法律で、収入に応じて補助金を出すことによって、これまで経済的に保険を購入することができなかった方も、保険を持てるようにしました。 

この補助金によって、毎月の保険料にかかる出費を減らしたり、実際に病院に行って発生する医療費を節約することができます。ですので、この記事のタイトルである質問「オバマケアに申し込むと補助金がもらえるってホント?」に対する答えは、もちろんYes!です。

ただ、この補助金は直接お金としてもらえるわけではありません。さらに、詳しくこの助成金について解説していきますね。

オバマケア・3種類の助成金    

アメリカ政府がオバマケアの元で出す助成金には、次の3種類があります。

 

① プレミアム・タックス・クレジット/Premium Tax Credits

② コスト・シェアリング・リダクション/Cost Sharing Reduction Subsidies(CSR)

③ メディケイド枠の拡大/Medicaid Expansion and CHIP

 

 

①プレミアム・タックス・クレジット/Premium Tax Credit

これは政府が保険会社に直接支払うお金の事で、加入者にとっては、保険料の加入者負担を下げるものです。これがオバマケアの個人の義務が課されるアメリカ市民と外国人にとって、最も経済的に影響がある助成金で、最も嬉しい助成金でしょう。

ただし、注意していただきたいのが、この助成金の恩恵を受けられるのは、マーケットプレイス/Marketplace を通じて保険を申し込んだ場合のみです。直接保険会社に申込みをした場合には、保険料を下げることはできませんので、ご注意ください。

そして、このプレミアム・タックス・クレジットは、世帯収入、例えばご夫婦とお子さん2人のご家族の場合は、そのご家族4名全員の収入の合計額に対して、フェデラル・ポバティ・レベル / Federal Poverty Level(FPL)を基準に計算されます。実際にこの助成金を受けられるのは、世帯収入がフェデラル・ポバティ・レベルの100% から 400% の世帯のみです。      

②コスト・シェアリング・リダクション/Cost Sharing Reduction

この助成金は、加入者にとっては、医療費が実際に発生した場合に個人の医療費負担を減らすことができるものです。 ただし、このコスト・シェアリング・リダクションも、全ての方が利用できるものではなく、実際にはものすごく限られた人のみが受けられるものです。

具体的に言うと、マーケットプレイス/Marketplace を通じて 「エンハンスド・シルバー・プラン/Enhanced Silver Plan」を購入した場合のみ、コスト・シェアリング・リダクションの助成金の恩恵を受けることができるのです。

オバマケアの決まりで、どの保険会社のプランも標準化されて提供されることになりました。そして、その標準はカバレージレベルの低い方からブロンズ/Bronze 、シルバー/Silver、ゴールド/Gold、プラチナ/Platinum となっています。当然、レベルが上がるほど保険料も上がっていきます。

関連記事

オバマケア・プラン選択の基準 - 標準化された健康保険

マーケットプレイスに申込みをした、世帯収入がフェデラル・ポバティ・レベル/FPLの100% から250% の方が、シルバープランを買った場合にのみ、この「エンハンスド・シルバー・プラン」が適応されます。

エンハンスド・シルバー・プランは、通常のシルバー・プランに比べて医療費負担が少なく、ゴールドやプラチナレベルの自己負担になることもあり、非常にお得です。エンハンスド・シルバー・プランについてはまた、改めて説明していきます。

③メディケイド枠の拡大/Medicaid Expansion and CHIP

オバマ大統領は、フェデラルの低所得者向け医療保険プログラム「メディケイド/Medicaid」(カリフォルニアではメディカル/Medi-Cal)の枠を拡大するように各州に要請しました。その代わりにアメリカ政府は、州に助成金を提供することにしました。

この要請にしたがってメディケイド枠を広げた州の多くでは、それまで低所得世帯とはみなされず、一方で健康保険を持つ余裕がなかったという多くの労働階級世帯が、無料かもしくはものすごく安い金額で医療がうけられる「メディケイド/Medicaid」に適応することになりました。これらの世帯は、自分で保険を買わなくてもよく、メディケイドでカバーされているのでペナルティを負うことはないんですね。

日本人の方の中には「メディケイド」と聞くと、そもそも「メディケイドは低所得者向けのプログラム」だったために、「低所得者」と言われたような気分になり「不名誉」と感じてしまう方もたくさんいらっしゃると思います。

しかし、実際にはオバマケアのメディケイド枠拡大によって、ものすごく多くの方が適応されることになり、そうなっても別に「不名誉」なことではないんですね。逆に、健康で病院へ行く必要がないのであれば、毎月の保険料やペナルティを避ける為にメディケイドを利用する!という考え方でも良いと思いますが、皆さんはいかがでしょうか。

メディケイドについては、こちら↓の記事もご参考になさってください。

メディケイド/Medicaid とは?- What is Medicaid?

ここまでで、お分かりかと思いますが、オバマケアの補助金は、保険を持っていれば誰もが受けられるというものではありません。オバマケアの助成金を何らかの形で受けられる方は限られていて、この助成金を受けられない方を一言でいうと、収入がフェデラル・ポバティ・レベル/Federal Poverty Level (FPL)に対して400%以上ある方です。つまり、収入が高い方は残念ながらオバマケアの補助金を貰うことはできません。フェデラル・ポバティ・レベルについては、改めて説明していきます。

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