この間も、デンタルについて質問が度重なった・・と言って、「アメリカ歯科治療を安くする!デンタル保険以外の支払方法」を書きましたが、デンタルについての質問、ほんとうに多いんです。特によくあるのが「デンタル保険お薦めありませんか?」です。でも、私、デンタル保険はお薦めしていないんですね。代わってお薦めしているのが、デンタル・ディスカウント・プランです。今日はそのディスカウント・プランについてお話してみたいと思います!
1. 私がデンタル保険を薦めない理由
個人的に私は、どの保険会社のデンタル保険/Dental Insuranceもお勧めしていません。どうしてかというと、まず、そもそも『保険』とは、未知のリスクに対する損失を保障をするもので、歯が痛くなってから、つまりすでに損失の発生が明らかになっている状況で効果が出るようにはなっていません。
健康保険や車の保険と違って、歯の保険に毎月保険料を払って、アメリカの高額歯科治療費に備えています!という方は少なくて、多くの方は歯が痛くなってからや、違和感を感じてから『デンタル保険に加入しないと!』と感じるんですね。でもそうなってからでは遅いんです。上で言ったように『保険』はそういう風に機能するように設計されていません。
それから、歯科保険/Dental Insurance には、ウェイティング・ピリオド/Waiting Period や、適応除外項目/Exemption、限度額/Annual Limit といった様な細かいシバリがあって、個人で申し込みをしても費用対効果が出にくいです。そのアメリカのデンタル保険のシバリについては、こちらの2つの記事↓を参考になさってください。
例えばの話ですが、月額保険料$35.00だったとして、それを毎月支払って、そして、ウェイティング・ピリオド1年をきちんと待ってから治療を受けたとします。かけた費用は$35.00 X 12 で合計$420です。もうウェイティング・ピリオドも経過してるし、結構安くなるかな~と思ってみたら、「年間の限度額に達した」や「既に治療している箇所は保険はカバーしない」といった理由で保険が効かず、結局『何のために毎月保険料払ったの!?』と言うことになりがちなんですね。
雇用主がデンタル保険を従業員にタダで提供している場合、それはタダなので加入しない手はありませんが、個人やご家族で保険料を払ってデンタル保険に加入しても、費用対効果は出ません。結果、保険料が無駄になります。なので、私はお薦めしていません。
2. デンタル・ディスカウント・プランとは
では、デンタル保険の代わりに私がお奨めしているディスカウント・プランとはどういうものかと言うと、マーケットのメンバーシップのように、加入しているとそのネットワークのデンティストでの治療費がディスカウントされる。というものです。皆さん、ご近所にあるよく行くマーケットのメンバーシップは持っていらっしゃいますよね!あれとほぼ同じです。
ディスカウント・プランは保険ではありません。今、多くの保険会社が、デンタル保険を提供する傍ら、デンタル・ディスカウント・プランも提供していることがあります。それから、ネットワークがあるので保険に似ていますが、保険ではなく、プランの提供会社は保険会社でないこともたくさんあります。
私がお奨めしているケアリントン・ディスカウント・プラン/Carelington Discount Plan も保険会社によって提供されているものではありません。では、保険会社ではない彼らが何をしているかと言うと、デンティストと患者の引き合わせる、言わばマッチメーカー的な役割をします。
歯科医/Dentistsには、マッチメーカーであるその会社と契約することで、彼らのネットワークを利用する患者を得る事ができる。というメリットがあります。逆に、患者/Patients には、そのプランに加入すると、ネットワーク内のデンティストからの治療がディスカウント価格で受けられる。というメリットがあります。このWin-Win状況を作り出しているのが、ディスカウント・プランなんですね。
3. 私がデンタル・ディスカウント・プランを薦める理由
では、次に、どうして私がデンタル保険の代わりにデンタル・ディスカウント・プランをお薦めしているかを説明していきますね。
①使いやすさ
まず、なんと言っても「使いやすさ」です。デンタル・ディスカウント・プラン/Dental Discount Planには、通常のデンタル保険にある次のようなめんどくさいシバリがないんです。
- ディダクティブル / Deductibles
- ウェイティング・ピリオド / Waiting Period
- 適応除外 / Exemption
- 年間限度額 / Annual Limit
- クレーム手続き / Written Claims Process
ディスカウント・プランには上のような項目がないので、デンタル保険に比べると、非常に使いやすいんですね。デンティストに行ったら、メンバーIDをデンティストで提示して、治療費をディスカウント価格で支払う。それだけです。シンプルでイイですよね!
②クイック・アクティベーション
歯の場合、思いがけず『突然痛くなった』って言うことは良くあることです。『日本で治療してきたのに、また痛くなるなんて・・』という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?上でも言ったように、デンタル保険は、そういう方が加入してすぐに治療を受けてもその治療費は安くなりません。
でも、デンタル・ディスカウント・プランには、保険にあるウェイティング・ピリオドがないだけじゃなく、購入してから利用できるまでの期間がすごく短いんです。プランにもよりますが、
メンバーシップがアクティベートされるまでの時間は、数日から1週間程で、時には申し込み直後に利用ができる。というプランもあります。
ディスカウント・プランは、保険と違って、突然歯が痛くなってデンティストに行かなければならなくなったという場合に最適です。デンティストから治療の見積もりをもらった後で、そのデンティストが加入しているディスカウント・プランに加入して、それから治療を開始する。そして、治療費ディスカウントしてもらう。なんて事もまったく問題なくできるんですね。
③低コスト
ディスカウント・プランのメンバーシップにかかる費用は「デンタル保険よりも安い」です。
例えばの話ですが、マーケット等のメンバーシップ割引でも、ある商品はそのメンバーシップですごく安く買うことができる一方で、別の商品にはそれ程のディスカウントがない。ってなんて事は普通ですよね。時にはディスカウントが適応されていない商品がある事もあります。皆さん、それで
『なんでやねん!?(ー_ー)!! 』
って思いますか?普通、それで怒ったりする人はいないと思います。『あ~この商品はディスカウントされないのね~』だけで終わりますよね。そこで怒らない理由は、そのメンバーシップにお金をかけていないからではないでしょうか?メンバーシップにかかる費用が少なければ、メンバーが得られるベネフィットが小さくてもそれほど気になりません。損をした!と感じないんです。ディスカウント・プランの費用は、年払いだと一人$100程度です。万が一、治療費にあまりディスカウントが効かなかったとしても、もともとのコストが低いので、損をした事にならないのです。
一方でデンタル保険では、毎月保険料を欠かさず、12ヶ月支払い続け後で治療を受けて『えっ!?これだけしかカバーされないの!?』という事になった場合の、経済的損失と心理的なダメージがあります。
ディスカウント・プランならかける費用も時間も少ないので、ダメージがありません。まさにマーケットのメンバーシップと同じですね。これが、私がディスカウント・プランをお奨めする理由なんですね。
④おまけ付き
私がディスカウント・プランをお薦めする最後の理由ですが、デンタル・ディスカウント・プラン/Dental Discount Planには、多くの場合で「おまけ」がついてくるんです。
おまけとは、めがねやコンタクトを安く購入することができるビジョン・プラン/Vision Planや、プリスクリプション・ドラッグ/Prescription Drug のディスカウントがもらえるRXプランです。ディスカウント・プランにもよりますが、多くの場合で、ディスカウント・プランの加入と同時にこういった別のプランのメンバーシップもついてくるんですね。お得ですよね!
4. ディスカウント・プランの注意点
ここまで、ディスカウント・プランの良いところばかり挙げましたが、私は正直な人間なので(笑)、ここで、ディスカウント・プランの注意点についても説明していきたいと思います!
①ネットワーク
ディスカウント・プランの注意点は、ネットワークです。ディスカウント・プラン/Discount Planにも健康保険/Health Insuranceと同じ様にネットワーク/Networkがあります。ですので、ディスカウント・プラン選択の際には自分のかかりつけのデンティストがそのディスカウント・プランを受け付けるかを確認する必要があります。もしもかかりつけのデンティストがまだいなかったら、そのプランのネットワーク内のデンティストを見つける必要があります。
通常、このデンティストを確認する作業はそのプランのウェブサイトから必ずできます。自分が通える範囲に、そのプランに登録しているデンティストがどのくらいいるか必ず一度は確認するべきです。
②ディスカウント率
ディスカウント・プランのディスカウント率は、治療項目によって異なり、通常10% – 70%といったところでしょうか。プランのメンバーがある治療対して払う金額は、プランの提供会社とデンティストの間で既に決められています。
このディスカウントされた治療費のリストの事をフィー・スケジュール/Fee Schedule と言いますが、プランによってはこれが公開されていないディスカウント・プランもあるんですね。次の図は、フィー・スケジュールの一例です。
また、マーケットの例にしますが、買い物に行って、商品のもともとの金額とディスカウント金額がはっきり分からなければ、メンバーシップを利用して買い物をする意味がありませんよね。それと同じで、デンティストに言われるがまま支払いをして、この点を確認しないとディスカウント・プランを持つ意味が無くなってしまいます。プランのウェブサイトを確認したり、デンティストに治療前に見積もりをもらう等して、必ず金額を確認してください。
5. まとめ
私がディスカウント・プランをお薦めするのは、デンタル保険よりもずっと使い安くて、急に歯科治療が必要になっても問題なく機能するからです。また、それだけでなく、費用は保険よりも安く、多くの場合で、プリスクリプション・ドラッグのプランやビジョン・プランのメンバーシップもついてきます。
ディスカウント・プランをご存じないと言う方もいらっしゃると思いますが、実は、だいぶ前から時代の流れは保険ではなくディスカウント・プラン/Discount Plan なんですね。
もしも、この記事を読まれて、具体的にディスカウント・プランを見てみたい!と言う方は、私がお薦めしているプラン、ケアリントン・ディスカウント・プランをチェックしてみてください。
また、このケアリントン/Careingtonのデンタル・ディスカウント・プランについては、非常に人気があるので「大人気!!ケアリントン・デンタル・ディスカウント・プランのQ&A」という記事で詳しくお伝えしています。よろしければ、こちらも参考になさってください。
ご質問やご意見など、お気軽にお寄せくださいね。読んでいただきましてありがとうございました!
こんにちは。
まさに現在、歯科治療費の高さから、歯科保険のことで検索して、こちらにたどり着きました。
こちらて紹介されている、デンタル ディスカウントプランがとても気になるのですが、これは今入っている歯科保険との併用が可能なのでしょうか? ディスカウントプランの金額に対して、保険適用できますか?
今年の歯科保険のリミットがほぼ残り少なくなり、Out of pocket での支払費用が高くて、ディスカウントプランがいいのか、Secondary 保険に加入したほうがいいのか、とても悩んでいるとこです。
アメリカに来てから1年未満で、歯科保険の知識もあまりないのですが、Primary 保険のリミットがなくなったら、Secondary 保険でカバーできると考えたのですが、認識あっていますでしょうか?
お忙しいかとは思いますが、ご教授くださいますと幸いです。
よろしくお願いします。