購入前に知っておくべき『アメリカデンタル保険の基本①』

7560293380_2464af45b3_o

アメリカの歯科治療費用は、医療費と同様に、日本に比べると非常に高額で、治療費が数千ドルになることは良くあることです。皆さんは、歯の治療の為に何千ドルも普段から準備してありますか?準備があれば良いですが、もしも急に大きな歯科治療が必要になったら、何千ドルの出費はイタイですよね。

それを防ぐために歯科保険/Dental Insurance に加入しておこう!と考える方も多いと思います。ただ、これも健康保険と同様に、何でも良いからあれば良いや。とテキトーに購入してしまうと、後で『え゛~!?』という事にもなりかねないんですね。

デンタル保険を考えたら、是非、購入の前にアメリカの歯科保険/Dental Insuranceについて理解しておいていただきたいと思います。ですので今日は、アメリカのデンタル保険の基本についてです。

歯科保険/Dental Insuranceの種類

健康保険と同様に、アメリカの歯科保険にも種類があります。もっとも一般的なタイプは次の3つです。

  1. デンタル PPO プラン
  2. デンタル HMO プラン
  3. Fee-for-Serviceプラン

1.デンタルPPOプラン / Dental PPO Plans

デンタルPPOプランの特徴は、PPOネットワークのもとで、より安い治療費とPPOデンティスト選択のチョイスがあることです。そのプランのPPOネットワークに参加しているデンティストは、保険会社との契約に基づいてそのプランのメンバーにより安い費用で歯科治療を提供することになっています。

通常、PPOプランの下では、コーインシュアランス/Coinsuranceと呼ばれるパーセンテージで治療費を加入者とプランが分けます。そのパーセンテージは通常、次の3つのカバレージレベル毎に異なります。

 

①プリベンティブ・サービス/Preventive Services 

②ベーシック・サービス/Basic Services

③メジャー・サービス/Major Services 

例えば、クリーニング/Cleaningsや検診/Check-Ups、やレントゲン/X-rays といったプリベンティブ・サービスのコーインシュアランスが20%だとすると、掛かった費用の20%を自己負担し、残りの80%をその保険プランが負担してくれる。という風になります。

同じプランでもクラウン/Crownsやブリッジ/Bridge といったメジャー・サービスに対するコーインシュアランスは50%で、サービスのレベルが上がるほど、自己負担割合は上がっていきます。

また、通常デンタルPPOプランには、ディダクティブル/Deductibleが設定されていて、コーインシュアランスが発生する前に、メンバーはある一定額を自己負担する必要がります。

医療保険のPPOプランと同様に、デンタルPPOプランのメンバーは、そのプランのネットワーク内のデンティストにかかればよりやすい費用で済むことになりますが、ネットワーク外のデンティストに掛かってもPPOプランはその費用の一部をカバーします。デンティストの選択に自由があることがPPOの良いところです。

2.デンタルHMOプラン/Dental HMO

デンタルHMOプランは、自分が掛かるデンティストや歯科医院を1つ決めて全ての治療をそこでする事を要求するプランです。そのプライマリ・ケア・デンティスト/Primary Care Dentistが必要だと判断した場合のみ、スペシャリストに診てもらうことができます。

通常、デンタルHMOプランには、ディダクティブルや限度額がなく、治療に対してはコーペイメント/Copaymentという固定額で支払います。HMOプランの下では、通常、プリベンティブ・サービスにコーペイメントはありませんので、クリーニングやチェックアップ等はタダになることになります。

ただし、もしもネットワーク外のデンティストに掛かった場合は、プランは一切治療費を負担しないので、全ての治療費を自己負担することになります。

個人で購入される場合で、できるだけ費用を抑えたい。という方には、デンタルHMOは最適なプランです。

3.フィーフォーサービス/Fee-for-Service(インデムニティ/Indemnity)

フィー・フォー・サービス・プラン/Fee-for-service plansは別名、インデムニティ・プラン、またはトラディショナル・プラン/traditional plansと呼ばれ、このタイプのプランの場合、メンバーはどのデンティストにでも掛かることができます。

そして、プランの仕組みはPPOと同様で、ディダクティブル/Deductibleや、カバレージレベルごとのコーインシュアランス/Coinsuranceで治療費を支払う事になります。

ただし、多くの場合フィーフォーサービスプランのメンバーは、費用をいったん自己負担して、保険会社にクレームをして弁済してもらう。という清算方法になります。この点はプランによって異なり、デンティストから保険会社にクレームする場合もありますが、どちらの場合でも一般的にメンバーの自己負担額は、デンタルPPOプランよりも多くなります。

ウェイティング・ピリオド/Waiting Periodとは

アメリカのデンタル保険の大きな特徴の1つがウェイティング・ピリオド/Waiting Period です。通常、ウェイティング・ピリオドとはそのプランが治療をカバーしない期間で、カバレージのレベルごとに、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、という風に設定されています。

ウェイティング・ピリオドを設定することで、保険会社は、歯科治療が必要な人が必要になった時に購入し、そのプランの下で安い金額で治療を受けて、治療が終わったらプランを止めてしまう。というのを防ぐことができます。

ウェイティング・ピリオドの長さは保険会社やプランによって異なり、長く設定されているデンタル保険は、ウェイティング・ピリオドが短いものや無いものに比べて、保険料は安いです。

例えばの話ですが、

保険を購入してから3ヶ月経ったところで歯科医に行ったところ、『クラウンが必要です』と言われた。購入したデンタル保険の内容を確認したところ、クリーニングやレントゲンにはウェイティング・ピリオドは無かったが、クラウンを含めたその他のベーシック・サービスには6ヶ月のウェイティング・ピリオドがあることが分かった。

と言う場合、そのデンタル保険はのこのクラウン治療をカバーしませんので、全額自己負担になります。

適応除外 – Exemption

アメリカのデンタル保険には、購入前に知っておくべき『適応除外』の項目がいくつもあります。ここでは、よくある適応除外項目を挙げていきます。

1.利用限度を超過した治療

例えば、『レントゲンは半年に1度のみカバーされる』という風に、治療の内容によって、利用限度回数と期間が制限されていることがあります。この場合、半年以内に2回以上のレントゲンを利用した場合は2回目以降の費用は全額自己負担です。

2. 既往症 – Pre-Existing Condition

保険プランが有効になる前に既にあった症状は、『保険プランが有効になる前に既にあった症状もカバーする』と名言されていない限り、カバーされません。

3.実験的な治療や審美歯科治療

通常、実験的な治療や審美歯科治療はデンタル保険はカバーしません。また、『歯科矯正はカバーされます』 と名言していない場合は歯科矯正も通常カバーされません。

4.保険が許可しない歯科医 

その保険プランが許可しない歯科医を利用した場合の治療はカバーされません。

5. 他のデンタル保険や健康保険などでカバーされた治療

6.クリーニング用品や歯科カウンセリングなどの費用

7. 処方箋薬、麻酔、病院、救急車の費用

8. その他『カバーされる』と書いていない治療

まとめ

アメリカのデンタル保険には、医療保険と同様にPPOやHMOといったマネージド・ケア/Managed Care プランタイプと、弁済型のフィーフォーサービスプラン/Fee-for-Services プランなどがあります。そして、マネージド・ケアプランの場合は、ネットワーク内の歯科医で治療をすることが、高額治療費を避けるキーポイントになります。

また、ウェイティング・ピリオド/Waiting Period やその他の保険で適応されない治療などが細かく設定されている場合がほとんどです。それを確認せずにデンタル保険を購入して、毎月保険料を払い続けると、治療を受けた時に、『えっ!?カバーされるのこれだけ?』とか『自己負担額、こんなに!?』という事になりかねません。

こういったアメリカのデンタル保険の性質から、個人で申し込みをする場合で、デンタル保険を持っておくべき、とはっきり言えるケースは、『1~2年後には絶対にきちんとした治療をしなくてはいけない』と分かっている場合のみです。

この点は、良心的なデンティストであれば、患者さんに同じようなアドバイスをしている様ですし、保険なしで、良心的な価格で治療をしてくれるデンティストもたくさんいらっしゃるようです。逆に、私のお客様の中には、初めて行ったデンティストでひどい金額を請求された方もいます。一番望ましいのは、やはり、信頼できて相談できるきちんとした歯科医を見つけることだろうな。と思います。

関連記事

購入前に知っておくべき『アメリカデンタル保険の基本②』

スポンサーリンク
adsense1
adsense1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
adsense1

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください