昨年は、エボラの流行が海外旅行を計画している人に影響を及ぼしましたが、今年は別の脅威、ジカ熱/Zika Virus が流行しています。
ジカ熱とは、デング熱と同様に蚊によって広がるウイルスで、このウイルスを持った蚊に刺された大人の症状は、軽度の発熱、発疹、結膜炎、筋肉痛、関節痛、倦怠感、頭痛等で、程度はデング熱ほどシビアではいようです。
ただ、妊娠中の女性はこのウイルスによって胎児に重大な障害を及ぼす危険性があり、今年の夏オリンピックが開催されるブラジルでは、すでに何千人もの女性がこのウイルスの影響で小頭症と呼ばれる脳の発達に障害をもつ子供を出産しているという事です。
オリンピック開催地でウイルスの被害がもっとも広まっているという状況は、今後の感染の拡大が容易に想像でき、恐ろしいですね。
実は、保険業界もすでにこのジカ熱によって影響を受けています。海外旅行医療保険や旅行キャンセル保険を販売している保険会社には、このジカ熱による症状や旅行のキャンセルをカバーするのか?と言った問い合わせが殺到していて、そういった商品を扱っている私たちのようなエージェントも保険会社のジカ熱に対する意向をウェブサイトなどで発表したり、クライアントに情報提供を始めています。
ここで、U.S. Department of Health & Human Services のもっとも重要な部門の1つであるCDC/Center for Disease Control & Prevention のジカ熱による情報には、まだ未確認なものもあるようですが、次に簡単にまとめますので、参考にしてください。
- ジカウイルスは熱帯アフリカかアジアが起源であると信じられている
- ジカウイルスを持った蚊に刺された人5人のうち1人は発症する
- 潜伏期間はまだ明らかではないが、数日から1週間で、症状が続くのも同様に数日から1週間ほどである
- 性行為によって感染されたケースも発見された
- ジカウイルスに感染しているかどうかは血液検査で分かる
- ジカウイルスに感染した人を刺した蚊は、そのウイルスを他の人に広める事ができる
- よく水分を取って休養し、熱や痛みにはアセタミノフェンを取ることをCDCでは推奨している
- DCDと世界保健機関(WHO/the World Health Organization)の両方が、カナダとチリ以外のアメリカ大陸にジカウイルスが広まることを予想している
この上の図は、ロサンゼルス・カウンティのDepartment of Public Health が発行したジカ熱警戒の文書です。
ここに載っているとおり、南米に旅行をする場合には、次の3つの方法でジカウイルス感染を避けてください。
① EPA/Environmental Protection Agency認可の虫除けスプレーを利用して
② 長袖の服と、ショーツでなくズボンをはく
③ スクリーンのあるエアコンの効いた部屋で休む
今年の夏、ブラジルへオリンピックを見に行くことを計画されている日本人の方もたくさんいると思います。旅行医療保険や旅行キャンセル保険、それからこの↑ような準備を念入りにして、旅行を楽しんでいただきたいと思います。