カリフォルニアのメディケイド/Medicaid であるメディ・カル/Medi-Cal は、受給者にプランとドクター選択の為の小冊子を送付します。通常、健康保険と歯科保険でそっくりの2冊が送られてきます。
ただ、この小冊子は、本当に、ものすごーく分かりずらくて、これまで、『この冊子の見方、書き方を教えて欲しい!』というリクエストをどれだけ受けたか分かりません。この問い合わせが、私がこれまで受けた保険関連の質問の中でも、もっとも多い問い合わせではないかと思います。そして、今後も多くの方がこの小冊子を手に取られて「あ゛~ 分からない!」と思われることと思いますので、今日は、この冊子について解説していこうと思います。
My Medi-Cal Choice For Healthy Care
この小冊子は『My Medi-Cal Choice For Healthy Care』と言って、メディ・カル/Medi-Calを受給する資格がある方に郵送されるものです。この冊子によって、受給者はメディ・カル/Medi-Calがどういうものなのかを知ることができ、また、自分が利用するプランを選択することができます。
受給者は、この冊子の中にあるフォームに選択したプランを記入し、表紙の次のページに記載されてある期日までに、これを管轄するカリフォルニア州の部署ヘルス・ケア・オプションズ/Health Care Options に知らせなればなりません。ですので、まずはその期日を確認してください。
この冊子は、目次はあるものの、一冊を通して振られているページ番号が無く、自分が知りたい内容のページを簡単に見つけることができません。また、驚いたことに、こちら↓のページは、1冊の中でなんと5回も出てきます。相当なムダですよね!言語に問題のないアメリカ人でも、この冊子は『分かりずらい』と感じるそうです。
実は、この↑ページはプランを選択する3つの方法を記載しています。その3つの方法とは、
①ヘルス・ケア・オプションズ 1(800)430-4262へ電話をかける
②オフィスへ行く(どこに行くべきかは次の方法で探す)
・the Health Care Options Presentations Page
・ 1(800)430-4262へ電話を掛けて情報をもらう
・ www.healthcareoptions.dhcs.ca.gov の Presentation Sites
③冊子についているフォームを郵送する
です。これまで私がお話を伺ったお客様の中には、『この冊子を読んでいくよりも、電話した方がずっと簡単だった』と言う方もいらっしゃいました。プランの選択は必ずしもフォームを郵送しなければいけない訳ではないので、この3通りの方法から自分にとって一番簡単な方法を選択していただければと思います。
プランの選択
メディ・カル/Medi-Cal は、フェデラルのプログラムであるメディケイド/Medicaidのカリフォルニア州版ですが、実際に、ヘルスケア・ベネフィットを提供するのは、保険会社のマネージド・ケア/Managed Care健康保険プランです。
そのプランを選択しなければならないのですが、自分に与えられたプランの選択肢は、この↓フォームに記載されています。このフォームはピンクのページの1枚前にあります。
ここでは、プランの選択肢は次の2つになっていますね。
352 Health Net Comm Solutions
304 L.A. Care Health Plan
この選択肢の中から1つ選びますが、どちらを選んだら良いかのポイントになるのは、プランの内容と、掛かりたいドクターがどちらにいるかという点です。
メディ・カル/Medi-Cal は、HMOと同様に、自分のプライマリ・ケア・フィジシャン/Primary Care Physician を決めます。特に掛かりたいドクターなどいなくて『誰でもいい』という場合は、プランを先に決めて、そのプランの中から適当なドクターを指定する。という方向で良いと思います。
HMOやマネージド・ケア/Managed Careについては、こちらの記事を参考になさってください。
この小冊子には、プランを見比べることができるページがいくつかありますので、それを簡単に紹介していきます。
『Medi-Cal Managed Care Comparison Chart』のページ
まず、こちら↓『Medi-Cal Managed Care Comparison Chart』というこの見開きページですが、このページで、両方のプランの内容を見比べることができます。左側がL.A. Care Health Plan で、右側がHealth Net Community Solution Inc.です。ちなみに、このページは、返信用封筒のページを左手に取ると、そこからもう1枚ページをめくったところにあります。
同じ項目に対して、それぞれのプランの内容を見比べることができます。英語が好きで無い方はこれ読んでいくのは面倒だと思いますが、両方の表の中の太字の数字を見るだけでも両方の違いが分かります。
例えばこの表の2行目『Plan Network Hospitals』ですが、左側のL.A. Care のイン・ネットワーク病院は、ロサンゼルス・カウンティ/Los Angeles County の中に70ある一方で、右側のHealth Netは55です。
次に3行目『Doctors you can go to』、つまり『あなたが行けるドクター』という項目に対して、左側のL.A. Care は、5500ですが、右側のHealth Netは、2300です。
さらに、下から2行目の『Languages』つまり言語のサポートがあるかどうかですが、左側のL.A. Care は通訳がいると書いてありますが、太字で書かれている特記事項はありません。それに対して、右側のHealth Netでは、同じように通訳がいると書いてあり、さらに利用者が電話できる電話番号(800)675-6110があります。英語が苦手な方にとっては、あると心強いサービスですよね。
このように、ざっくり数字だけ見ていくだけでも、両方の違いが分かってきます。
How Medi-Cal plans compare on quality of care for children/adults
次に白いページで、ページ番号4、5のこの↓見開きページについて簡単に説明します。
このページは、一目瞭然、星★の数による両プランの比較で、左側は子供に対するケアのクオリティ、右側は大人に対するケアのクオリティを比べています。ここには、この評価の基は、①カリフォルニア州がMedi-Cal利用者に対して行ったサーベイの結果と、②Medi-Calがそれぞれのプランから入手した情報、の2つであると言っています。
単純に星の数だけ見ていくと、若干、L.A. Care Health Planの方が良い評価がある事が分かりますね。
それぞれのプランからの情報
このページは、それぞれのプランから提供された彼ら独自の情報で、広告と同じですね。目を通して印象だけでもつかんでおけば、良いかもしれません。また、それぞれの保険会社のウェブサイトへ行ってみるのも良いかもしれません。保険会社のウェブサイトには、ものすごい寮の情報があり、自分の保険会社のウェブサイトを有効活用できると、非常に便利です。ウェブサイトの見易さや機能などもプラン選択の1つの要素になりえますので、是非、チェックしてみてください。
L.A. Care / http://www.lacarecovered.org/
Health Net / https://www.healthnet.com/
ここまで、プラン選択の為の情報を挙げましたので、次にドクターの選択について説明していきます。
ドクターの選択
『どんなドクターでも言い訳ではない!』という方は、プランを決める前に、ドクターを決めた方が良いでしょう。先にプランを決めてしまっても、掛かりたいドクターや病院がそのプランにいなければ意味がないですよね。
ドクターや病院の情報は、冊子の青いページにあります。表紙の下の部分にも『See Blue Pages for Providers Near You』と書いてありますが、次の写真を見ていただくと、どこが青いページかが分かると思います。冊子の後ろの方ですね。この青いページは、紙の淵側にすこし色が付いてるだけで、紙そのものは白いです。光の加減によってはこの青が全く見えないことがあって、これも分かりずらいです。ページの色を変えるという発送は良いですが、仕事が微妙ですね。
ドクターの選択肢はこの青いページ↑の5~6ページです。そしてこのページの見方は、その前の1~3ページにあります。もしも、どうしても掛かりたい特定のドクターがいて、このリストにそのドクターがいない場合は、直接そのドクターに「Medi-Cal受け付けますか?」と確認するべきですね。
ここで、一番肝心な、“このリストの中からどうやって良いドクターを見付けるか?” についてですが、残念ながら、私がこうしてください。と言い切れる『ドクター選択の正しいの方法』はありません。自分がどこまで時間をかけて調べるかに掛かってきます。
ですので、ここでは、私がドクターについて調べる時に利用するウェブサイトをご案内します。
healthgrades.com / ヘルス・グレイズ
healthgrades.com/ヘルス・グレイズ・ドットコムでは、ドクター/Doctor、デンティスト/Dentist、病院/Hospital の情報を見つけることができます。それぞれのドクターのページには、そのドクターの経験が数値、また、そのドクターに対する患者の満足度が星★で表現されています。そういった情報が、自分のドクターを決める手がかりになります。また、写真があるドクターがたくさんいますので、それもこのウェブサイトの良い点です。
ここれ以外にも、ドクターの情報を集めるのに利用できるウェブサイトがたくさんあります。例えば、Yelp.com、healthgrads.com と同類のその他のウェブサイトや、それぞれの病院のウェブサイトを利用して、ドクターの情報を調べるという方法もあります。また、保険会社のウェブサイトとには、通常『Find a Doctor』や『Find Providers』といったドクター検索ツールがあります。保険会社が決まっていれば、それを利用するのも良いかもしれません。
こういった情報をいちいち探していくのは、気の遠くなるような作業です。人によってはまったく手がかりも何もない所から初めて、数あるドクターの中から1人を選ぶのですからが、本当に大変な作業です。ただ、プライマリ・ケア・フィジシャン/Primary Care Physicianは、長期間付き合っていくことになるドクターですので、『どんなドクターでもOK!』で無い方は、少し時間を費やしてご自分で決められた方が、長い目で見たら良いと思います。
フォームの記入方法
プランとドクターが決まったら、最後にそれをフォームに記入していきます。記入の仕方は簡単で、次の写真で説明で説明していきます。
青いページのドクターの中から1人決めたとしたら、まず、そのドクターの名前の真下にあるのがドクターのコードです。青枠で囲ってある部分で、フォームと照らし合わせるためにB枠としました。フォームにこのコードを記入してください。
次に■で始まる記述がプランになります。この↓の画像では、このドクターは、L.A.CareとHealth Netの両方のプランが記載されていますので、どちらでも可能ということでしょう。どちらか1つ決めて、フォームのA枠の楕円を塗りつぶしてください。
最後に緑のCの枠、メディカル・グループですが、これは、そのドクターが属しているメディカル・グループで、この↓写真では、この1人のドクターが■L.A.Care Health Plan の基で属しているグループが2つ、Care 1st Partner Plan, LLCとAnthem Blue Cross Partnership あるということです。■Health Net Community Solutions の場合は、Molina Healthcare Partnerになります。選択肢は赤枠のプランの選択によって変わってきます。
もしもあなたのPCP、プライマリー・ケア・フィジシャン/Primary Care Physicianが、あなたがスペシャリストつまり専門医による治療が必要と判断した場合には、その同じメディカル・グループに属しているスペシャリストが紹介されます。ですので、別の言い方をすると、このメディカル・グループによってあなたが受ける治療が決まる。と言えます。1人のドクターだけ見ていると全く関係ないように見えますが、実は重要なポイントになるんですね。
ただし、すでに特定のメディカル・グループにいる特定の専門医を踏まえている、という方以外は、更に深くリサーチをしない限り、選択の判断基準は全く分からないと思います。ここで更にメディカル・グループのリサーチをしない場合は、適当に1つ選択するしかないでしょう。
緑のC枠は、実は、このフォームの裏面↓に一覧が載っています。ひとつ決めたら、この一覧で記号を確認して、該当するフォームの楕円を塗りつぶしてください。
この3箇所が記入できたら、必ずそれ以外に記入漏れが無いかどうか確認して、最後にフォームの一番下にサインをしてください。
そして、この冊子についている封筒を切り離し、フォームを同封すればそれで終了です。切手を貼る必要はないので、後は投函するだけですね。
何度も言いますが、本当にMedi-Calの小冊子は分かりずらく、またプライマリー・ケア・フィジシャンを選択するのは非常に大変な作業です。この冊子を手に取られた方の中には、どうしたら良いのか分からないという方や、うんざりしている方もいらっしゃると思います。そう思うのはあなただけではありませんので、ご安心ください。そして、そういう方の為に少しでもお役に立てればと思って、今回ロサンゼルス限定ですが、この記事を書かせていただきました。何かご質問などがあれば、是非、お気軽にコンタクトしていただきたいと思います。
はじめまして。
妻と一人息子を持つ父親です。息子の保険についてアドバイスをいただけないでしょうか。
息子の保険は現在Medi-Calですが、来月更新の案内がきました。妻が仕事を始めたこともあり、わずかですが収入が増額しました。CA州の情報によると、その結果今年はその資格が与えられないと思います。他の保険を利用するしかないです。もう一つの問題は息子は2つの障害を持って生まれました。口唇裂(Cleft Palate)と四肢障害です。ですが彼自身の行動には全く支障はなく、いたって健常児と変わりありません。しかし障害児であるためどこの保険会社も保険料が高く、それを支払う経済的余裕はありません。息子は口唇裂の治療をこれからも続けていかなければなりません。何か彼でも入れる安価な健康保険はないでしょうか?
よろしくお願いいたします。