カバード・カリフォルニア/Covered CA を利用して健康保険を購入したが、なぜか勝手に登録内容を変更されて、非常に面倒なことになった・・という方、いらっしゃいませんか?そんな方、お気持ち分かります!あなただけじゃないんですよ!実は、カバードCAを利用すると、誰にでもそういうことが起こりえるんですね。
実は、今日、私のお客様の中でも、カバードCAで面倒なことになってしまった方が出てきました。私は、慣れていると思っていましたが、それでもまた新たな“被害者”を目の当たりにして、非常に腹立たしい気分です。ですので、今日はその出来事をここで共有して、他のメンバーの方の被害を最小限にするお手伝いができればと思います。
今日はこちら↓の内容です。
1.カバードCAユーザーが念頭に入れておくべきアカウントに関する重要な事実
2.ケース・スタディ – ご夫婦で奥様のみカバードCAプランが必要だったケース
1.カバードCAユーザーが念頭に入れておくべきアカウントに関する重要な事実
まず、結論から言うと、全てのカバードCAユーザーは次の事実を念頭に入れておくべきです。
全てのカバードCAユーザー・アカウントには、Medi-Cal がいつでもログインする事ができ、個人の登録内容を勝手に変更する事ができる!
カバードCAのシステムであるカルヒアーズ、CalHEERS / California Healthcare Eligibility, Enrollment, and Retention Systemは、メディ・カル/Medi-Cal が担当部署になります。メディ・カル/Medi-Calは、カリフォルニア州のメディケイド/Medicaid で、低所得者向けの健康保険プログラムですが、低所得でない人も、カバードCAを利用する場合には、彼らが自分のアカウントに勝手にログインし、個人情報を断りも無く変更することができることを知っておくべきです。
2015年度には5人に1人の割合でカバードCAユーザーのアカウントが、Medi-Cal によって勝手にログインされてチェックされたということです。現時点では、もっと多くのアカウントがチェックされているかもしれませんね。勝手にログインされても、何事も起こらず1年間自分の健康保険を問題なくキープできる方もたくさんいらっしゃいます。私は勝手に、そういう方の事をサバイバーと呼んでいます。(笑)アカウントを見れば、彼らがログインしたかどうかが分かります。
そもそも、彼らがどうして個人のメンバー・アカウントにログインして登録内容を変更したりするのか?ですが、それについては、私たちエージェントには理由は分かりません。カバードCAへ問い合わせをしても、電話にでるオペレーターも分からないと言います。そこの情報は開示されないようです。
ただ、オバマケアの制度の下では、州政府はメンバーに毎月保険料に充てられる『お金をあげている』ことになるので、不正受給を防いだり、無駄に支給しない為にも、それなり事をしないといけない。という事のようです。
このMedi-Calによる無予告ログインと無断の情報変更が、具体的にどういう影響を及ぼすのか、実際にあったケースで説明していきますね。ちなみに、Medi-Calによる無予告ログインと無断の情報変更をくらってしまった方の状況は様々異なり、これから話すケースは、そのうちの一つです。
2.ケース・スタディ – ご夫婦で奥様のみカバードCA保険が必要だったケース
これは、ご主人は職場から提供されている健康保険を持っているので、カバード・カリフォルニア・プラン/ Covered CA Plan は必要ないが、奥様はカバードCAプランが必要というご夫婦のケースです。
カバード・カリフォルニアの申し込みに当たっては、たくさんの質問に答える必要がありますが、その中に“保険が必要である?”という質問があります。このご主人のこの質問に対する答えは『NO』です。職場提供の保険があるので、カバードCAプランは必要ありません。この答えが「NO」だと、その方に対するオバマケアの保険料補助/Premium Assistanceや、その他のプログラムへのエリジビリティ/Eligibilityは無くなります。
そこに、ある日突然、Medi-Cal のスタッフが勝手にこの方のアカウントにログインし、この質問の答えを『YES』にしてしまいました。
実際には、この方は、2014年度の後半のまったく知らない間に、Medi-Cal のスタッフにこの様に登録内容を変更され、誤った情報を基にカバードCAのエリジビリティ判定が実行されました。そして、補助金やカバードCAプログラムに対するエリジビリティが発生してしまいました。その後、2014年から2015年度にかけて奥様が加入していた保険が自動リニューアルになったことによって、このご主人もプランに勝手に登録されてしまったようです。そして、ご主人のエリジビリティが発生してたことによって、このご夫婦は、毎月かなりの補助金がもらえることになりました。
その後、このご夫婦は、保険会社から送られる保険料の請求書を見て「何か金額がおかしい・・」と気付きました。ご主人も一緒に加入している形になったことで、保険料が非常に高かったんですね。一方で、オバマケアの補助金もたくさんもらうことになっていました。ですので、請求書に記載されているそういった金額は、まったく見に覚えのない、おかしな額だったんです。そこでこの方は「何かの間違いかもしれない。すぐに修正されるかも・・・」と思い、その請求書に対しては何もアクションせず、少しの間、様子を見ることにしました。
結局、これがポリシーイヤーの始まりだったので、初回の保険料を支払わない形になり、その保険契約は一度も有効になりませんでした。
その後、カバードCAアカウントの登録内容がおかしくなっていることに気付き、正しく変更し直し、奥様のみ別のカバードCAプランに加入することができたのですが、残念なことに、Medi-Calが勝手に登録内容を変更したことによる影響は、これで留まらなかったんですね。
この方が、今年に入ってタックス・ファイル/Tax File を控えて、カバードCAが発行したIRS Form 1095-A を受け取ると、そのフォーム上では、誤った金額の請求書を放っておいた数ヶ月間、ご主人の分もオバマケア/Obamacareの保険料補助/Premium Assistanceを受け取ったことになっていました。加入者としては、保険料を一度も払わなかったので、その保険でカバーされていたという認識もなければ、補助金を受け取っていたとも思っていません。実際に保険自体も有効になっていませんが、カバードCAにはその誤情報が残っていて、1095-Aに反映されてしまっていました。
この誤った情報のIRSフォーム1095-A によって、この方は、会計士から「IRSに、もらった補助金を返金しなければならない」と言われてしまいました。実際に受け取っていない補助金をIRSに支払わなければならないなんて、有り得ない話です。ただ、残念ながら、タックスの専門家である会計士さんには、この部分を解決することはできないんですね。
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保険会社からは「1月の保険料は支払われなかったので、保険は一度も有効になりませんでした」といった様な情報が、カバードCAへ送信されているはずです。ところが、それが送信されていなかったのか、もしくは送信されてはいたが、それがその方のフォーム1095-A に反映されることは無かったようです。
ここで、はじめから振り返ってみると、Medi-Calがこの方のアカウントにログインして、登録内容を書き換えてから、既に1年以上が経過しています。いったんMedi-Calにログインされて登録内容を変更されると、それが個人の健康保険やタックスに絡んで、長く影響するのが分かりますね。
この方の場合、この時点で私は、カバードCAのオペレーターと共にこの方のアカウント状況を確認し、カバードCAにアピール/Appeal という手続きをしました。アピールによって「ご主人が保険に加入していた」という誤った記録を修正してくださいというリクエストをすることができます。また、それと同時に、カバードCAのウェブサイトにあるディスピュート・フォーム/Dispute Formで正しいIRS フォーム 1095-Aの発行をリクエストするという手続きもお手伝いしました。
アピールもディスピュートも、どちらも非常に時間がかかる処理です。この方の場合、結果はまだ出ていませんが、両方の結果によって、数千ドルの違いが出てくることになるということです。気が気ではないだろうな・・と思っていましたが、そこへ、実はもう一つ、ダメ押しで今日、悪いお知らせがこのご夫婦にはありました。
なんと、修正したはずのカバードCAの登録情報が、先週Medi-Cal にログインされて、再度、書き換えられていることが分かりました。私の方で確認してみると、本当にヒドイ書き換えっぷりです。
この状況を完全に解決するためには、この方はMedi-Cal のオフィス連絡をとり、問題点、つまり彼らがログインし情報を書き換える原因となっている点をクリアにする必要があります。これに関しては、また別の機会に話したいと思います。
3.トラブル回避の為にできること
このご夫婦は何も悪いことはしていません。Medi-CalとカバードCAと保険会社と加入者の、それぞれの間のコミュニケーションがうまくできていなくて、結果的に、加入者がひどい目にあってしまうことになっています。そんな中でも、異変をできるかぎり早く見つけて、解決するための手がかりがあります。その手がかりとは上でも触れた、エリジビリティ判定のタイミングです。
①カバードCAからの通知を無視しない
カバードCAのアカウントにおいて、それぞれのプログラムに対するエリジビリティ/Eligibilityは、加入者の情報が書き換えられるたびに判定されるものです。そして、判定されるたびに、その結果の通知が次の日の日付で生成されます。カバードCAからの連絡を手紙で受け取るように設定されている方には、その手紙が届きますし、Emailで設定されていれば、Emailです。
ですので、なんだか分からないけれども、突然、カバードCAからよく分からない手紙が来た。という場合は、Medi-Cal の職員か誰かがカバードCAのアカウントへログインし、内容に変更を加えてエリジビリティが判定された可能性があります。
その時に、よく分からないからと言ってその手紙を無視せずに、「どうしてこういった手紙が発行されたか」を速やかに担当のエージェントやカバードCAに連絡して、是非、確認してみてください。サーティファイド・エージェントやカバードCAのオペレータなら、それは「○日にXXXされたことによって発行されたものです。△△△△してください。」という風にアドバイスしてくれると思います。
ちなみに、カバードCAから発行される、エリジビリティ判定の通知はこの様↓な手紙です。
このご夫婦にも、この様な手紙が届いていたはずで、その手紙の中にはご主人のエリジビリティ判定結果が記載されているはずです。それを見て「なんで!?」と思った時に確実にアカウントの異変に気付いて適切に対応できていれば、次の年の保険に影響が出ることもなければ、それがフォーム1095-Aに反映されることは無かったでしょう。
カバードCAメンバーの方には、こんな手紙が、しかも同じ内容で日付が異なる手紙などがバンバン送られています。いちいち確認するのは馬鹿らしいので無視したくなりますが、念には念をいれてご確認することをお薦めします。
でも、そもそも、Medi-Calが登録内容を書き換えたりせずに、加入者に「保険に関してあなたの状況を確認したいので、ご連絡ください」とストレートに通知を出したりすれば良い話ですよね。本当に、そういうところ、親切じゃないですよね。
②金額の確認を怠らない
それから、このご夫婦だけでなく他の方でもよくあることですが、もともとの保険料や補助金の額、そして自己負担の額などをしっかり把握してのおいてください。オバマケア/Obamacareに加入している方の請求書は、補助金が絡み、保険会社によっては非常にわかりずらい場合があります。
でも、よく分からないからと言って放っておいたり、もっとヒドイのは「よく分からないけど、こんんなもんかな。払っちゃおう」とむやみに支払ってしまうのは、のちのち保険会社とそのお金をめぐって戦わなければならなくなりますので、絶対にやめるべきです。
もしも、請求書の金額がおかしい!?と思ったら、すぐに保険会社、担当エージェントに連絡をして確認してください。カバードCAは保険料に関しては管理していませんので、保険料の確認はカバードCAでできますが、保険会社から送られる請求書の内容については、カバードCAでなく保険会社のカスタマーサービスに確認するのがベストです。
最後に、、、
オバマケア/Obamacareが始まってからは、保険と税金が結びついて、本当に面倒なことになってしまうケースがたくさんでています。また、カバードCAに関しては、さっきも言いましたが、Medi-Cal、カバードCA、保険会社、加入者間のコミュニケーションが本当にうまくなくて「え゛ー!ありえる!?」という事が起こっています。
これはアメリカ人の方が言っていたことですが、
アメリカではお金を失うのはものすごーく簡単ですが、取り戻すのは非常に大変です。
私もまったく同感です。だから、自分の保険は自分できちんと理解して管理しておくべきですね。私たちカバードCAサーティファイド・エージェントは、そのお手伝いをさせていただきます。長くなってしまいましたが、この記事で少しでも皆さんのカバードCAに関する疑問や問題の解決のお役に立てればと思います。