オバマケア・プラン選択の基準 - 標準化された健康保険

young couple choosing a plan

健康保険に加入しなければいけないが「どうやってプランを選択したらよいか分からない。。」という方、たくさんいらっしゃると思います。そんな時に、1つの目安となるのがプランのレベルです。オバマケア/Obamacareの健康保険プランにはいくつかのタイプがありますので、今日は、そのプランのレベルについて説明していきます。

4つのレベル・メタルティア/Metal Tiers

オバマケアの健康保険/Health Insurance には、次の4つのレベルがあり、どの保険会社のプランも、それから、マーケットプレイス内でも外でも、全てのプランはこの4つに分けられます。

metal tiers
① ブロンズ/Bronze

② シルバー/Silver

③ ゴールド/Gold

④ プラチナ/Platinum

 

オバマケアの法律では、このように、金属の名前で健康保険のプランを標準化し、これを、メタルティア/Metal Tiers と名づけました。

それぞれの金属の価値から想像できると思いますが、一番レベルの低いカバレージがブロンズで、それから、シルバー、ゴールド、プラチナと、レベルが上がっていきます。カバレージの内容が良くなるほど、毎月の保険料も高くなります。

プランの負担割合 – 60,70,80,90

上の図からお分かりかもしれませんが、それぞれのメタルレベルが、60、70、80、90という数字を持っています。これは、そのプランの一般的な負担割合を表しています。ブロンズなら60ですので、そのプランが60%負担し、のこりの40%は加入者負担、という風になります。

ただ実際には、これは、全ての加入者の医療費の60%がプランによってカバーされると言う意味ではなく、1つのブロンズ・プランが加入者全体の医療費費に対して支払う額が、全体の医療費の60%になる。という意味です。ですので、個々の加入者の実際の負担額はケースバイケースで、40%よりも多かったり少なかったりします。この数字を鵜呑みにして、何もかもこの割合で計算することはできませんので、ご注意ください。

各レベルの数字はそのプランの費用負担の目安としてだけ見るべきで、実際の費用はそれぞれの保険会社が出しているプランのベネフィット・シート(Summary of Benefits)等を参考にしてください。

プランの大まかな負担割合は、それぞれのプランについているこの数字で分かりますが、逆の目線で、加入者の自己負担額がどれくらいかをメタル・ティアごとに比較した図がこちら↓です。

4 Metal Tiers Comparison

この図の赤い線があらわしているのが、保険プランが支払いを開始する前に加入者が必ず負担しなければいけないディダクティブル/Deductibleの額をこの4プランで比べたラインです。例えば、ブロンズ・プランはディダクティブルが$6000なのに比べると、次のシルバーは$2250とブロンズに比べて非常に安くなっています。ゴールドとプラチナプランには、ディダクティブルはありませんので、保険でカバーされる医療費は、即、プランと加入者が負担を分けることになります。

そして、その上の緑の線は、加入者が1年間にトータルで自己負担する金額の限度額、アウトオブポケット・マキシマム/Out of Pocket Maximumのラインです。ブロンズ、シルバー、ゴールドはどれも$6000を超えて、ほぼ同じくらいの金額ですが、プラチナのみ$4000と低く設定されています。

もう少し細かく見ていくと、こちら↓は、カリフォルニア州のマーケットプレイスであるカバード・カリフォルニア/Covered CAが発表した、2016年度のメタル・ティア/Metal Tier毎、ベネフィット・スタンダードです。これを見ると、一般的なヘルスケア・サービスに設定されているコーペイ/Copayment の金額が、それぞれのメタル・ティアでいくらかがわかります。

Plan Designs 2016-thumb-1000x1422-1302

こういったレベルごとの自己負担額と、自分が病院へ行く頻度、更に保険を利用する目的(手術をする。出産する等)をあわせて考えると、自分にとって最適なプランを決めることができます。

ここまでが、オバマケア/Obamacareの健康保険のレベルの基本ですが、実はこの4つのレベル以外にもまだ、別の子レベルがあります。それに付いて次に説明していきますね。

強化シルバー・プラン/Enhanced Silver Plan 73,87,94

健康保険のマーケットプレイス/Marketplaceにはたくさんのプランがありますが、その中でも、シルバー・プラン/Silver Plan は、4つのレベルの中で唯一、2種類の補助金が与えられているプランです。

その2つの補助金のうちの1つは、プレミアム・アシスタンス/Premium Assistance(もしくは、プレミアム・タックス・クレジット/Premium Tax Credits)と言って、これが加入者の毎月の保険料負担を下げる補助金です。このプレミアム・アシスタントは、どのメタル・ティアのプランにも適応されるもので、補助金が$100ならブロンズでもプラチナでも、保険料はマイナス$100になります。

オバマケアに申し込むと補助金がもらえるってホント?- Obamacare Subsidies

もう1つの補助金は、コスト・シェアリング・リダクション/Cost Sharing Reduction Subsidies(CSR) と言って、加入者が保険でカバーされるヘルスケア・サービスを受けた時に、その医療費に対する加入者負担を減らすことができるものです。そして、この両方の補助金が受けられるのが、強化シルバープラン/Enhanced Silver Plan と言います。この強化シルバープランには、さらに3つのレベル、73、87、94があります。

通常のプランの数字(60、70、80、90)と同様に、このエンハンスド・プランの73、87、94もプランが負担する費用の割合を表しています。もしもエンハンスド・シルバー・プラン87が適応されたら、そのプランは平均で87%を負担し、自己負担は13%のみになります。これだと、自己負担少なくてイイですよね!

エンハンスド・シルバー・プランを買えるのは誰?

エンハンスド・シルバー・プラン/Enhanced Silver Plan に申込みをする事ができるのは、世帯収入がフェデラル・ポバティ・レベル(FPL)の100%-250% の方のみです。下の図は、フェデラル・ポバティ・レベルと収入のガイドラインですが、赤枠で囲った列に世帯収入が該当する方には、この強化されたシルバー・プランがプランの選択肢の中に上がってきます。

Income Guideline2

ただ、このエンハンスド・シルバー・プランの特徴のコスト・シェアリング・リダクション/Cost Sharing Reduction Subsidies(CSR) という補助金は、加入者にとっては、直接もらえるものではなく、保険を利用した際に「あっ安い!」と感じるもので、病院に行くなど保険を利用することが無ければ、加入者には何もプラスの影響はありません。

もうお気づきかもしれませんが、エンハンスド・プランはシルバー/Silverのプランですが、カバレージの内容は、ゴールド/Goldやプラチナ/Platinumレベル以上となり、ものすごくお得なプランになります。シルバーレベルの保険料支払いが問題なければ、選択すべきプランです。

オバマケアの健康保険のレベル、メタル・ティア/Metal Tiersについて説明しましたが、プランの選択の際には、まず、自分の健康保険ニーズからプランのレベルを絞る事がポイントになります。

たとえば「持病があり、定期的に病院にも行くし薬も必要だ」という方にはゴールドやプラチナレベルの保険が必要になるでしょうし、逆に、全く健康で病院にも行かないし保険も必要ない。法律の決まりだから保険を購入するだけ」という方には、一番下のブロンズレベルが向いている。という風にレベルを絞ることができます。

 メタルレベル毎のスタンダードも上で挙げましたが、医療費の額については、あくまでも目安として考えてください。実際の医療費は、それぞれのプランによって異なり、また、保険会社とドクターとの契約によることもあります。詳しくは、それぞれの保険会社が出しているサマリー・オブ・ベネフィット/Summary of Benefits等を確認する必要がありますね。サマリー・オブ・ベネフィットについてはまた改めて説明していきます。

スポンサーリンク
adsense1
adsense1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
adsense1

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください